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われに五月を

  • Day:2020.03.18 18:54
  • Cat:言葉
同じ時代をかすって生きてきた人間として、寺山修司氏の言葉を時折思い出します。
その中でもその都度ハッとさせられるこの詩を、今書き留めたいと思います。
・・・・・・・・・・・・

 きらめく季節に
 だれがあの帆を歌ったか
 つかのまの僕に
 過ぎてゆく時よ

 夏休みよ さようなら
 僕の少年よ さようなら
 ひとりの空ではひとつの季節だけが必要だったのだ 重たい
 本 すこし
 雲雀の血のにじんだそれらの歳月たち

 萌ゆる雑木は僕のなかにむせばんだ
 僕は知る 風のひかりのなかで
 僕はもう花ばなを歌わないだろう
 僕はもう小鳥やランプを歌わないだろう
 春の水を祖国とよんで 旅立った友らのことを
 そうして僕が知らない僕の新しい血について
 僕は林で考えるだろう
 木苺よ 寮よ 傷をもたない僕の青春よ
 さようなら

 きらめく季節に
 だれがあの帆を歌ったか
 つかのまの僕に
 過ぎてゆく時よ

 二十才 僕は五月に誕生した
 僕は木の葉をふみ若い樹木たちをよんでみる
 いまこそ時 僕は僕の季節の入口で
 はにかみながら鳥たちへ
 手をあげてみる
 二十才 僕は五月に誕生した


 『われに五月を』より
 「五月の詩・序詞」 寺山修司

今年の三が日

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尾道で彼女とワンコと共に年越しをし、千光寺にて初詣。
夕方に大和町へ移動。
父が独居する実家に一年ぶりに三兄弟とその家族が揃う。
二人の甥っ子も大きくなった。
それぞれ仕事と受験準備もあり、二日の昼前にはそれぞれ帰途に。
私ひとり残り父とおせちの残りをつつき、台所の掃除などして三日に尾道に戻る。
今年83歳になる父も元気そうで一安心。
普段なかなか連絡するのに気が重く、そのくせ心配だけはしている。
今年はまめに帰ろう。

のんびりと暖かな正月でした。

新年に

谷川俊太郎氏の有名な詩に「生きる」というのがあります。
二十歳の頃に知って好きになり、折にふれ思い出します。
この詩は

「生きているということ
 いま生きているということ」

とはじまり、詩人ならではの視点でハッとするような生(命)の実感が述べられていきます。
その中のドキリとする一節

「すべての美しいものに出会うということ
 そして
 かくされた悪を注意深くこばむこと」

ここがこの詩の肝だと思うのです。
そんなことを改めて思い出す年のはじまり。
情報が作り出す熱狂に飲まれないこと。
この詩は

「人は愛するということ
 あなたの手のぬくみ
 いのちということ」

という言葉で閉じられます。
本質は?本当に大切なことは何か?
自分に問い続け考えることを肝に命じて、本年を過ごしたいと思います。

谷川俊太郎「生きる」

言葉

  • Day:2019.12.19 13:41
  • Cat:言葉
最近、惹かれた言葉たち

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」
 井上ひさし

「世界がこうなればいいとあなたが望むその変化を、あなた自身が体現しなさい」
 伝 マハトマ・ガンディー

「平和で幸せな社会はまず平和で幸せな自分から」
 辻信一(『よきことはカタツムリのように』春秋社)

FROM HERE TO BEYOND

尾道市立美術館で開催中の現代美術の企画展『ここからむこうまで』を観てきました。
ここで現代美術が扱われるのは珍しいのです。
来年「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」が開催されるので、そのプレ事業のようですね。
〜広島から発信する現代アート特別展〜なんて大仰なタイトルも付いてて、どれほどのもんかと訝る気持ちもありましたが、会期終了も近いし現代美術に触れるのも久しぶりなので出かけてきました。
家から裏山登って歩いていける距離で近いしね。

さてどうだったか?

これが、面白かった!!
これからどのように活動していったらいいか、悶々としてた自分は刺激を受けました。
”尾道から世界を照射する”タイトルに違わぬ作品達でした。
ひとつひとつの展示室に一作家が割り当てられ、その空間自体が作品となってるような展示構成でした。
それぞれの作家は一地方のアトリエで制作し、プライベートなテーマを追求していても、その眼差しは世界に向けられている。
惜しむらくは、それはこの場所で実際に作品と向き合わなければ感じ取れないこと。
しかしそれも大切なことだと思います。足を運び体験しなければ得られないものがあるのです。

最初に入った展示室のキャプションにあった、柳幸典さんの言葉に感銘を受けました。
思わずノートに書き写しました。

「平和そして自由とは常に戦い続けて獲得しなければ、気が付いた時にはもう取り戻しが出来ないほど遠ざかってしまう壊れやすいものである。
そして芸術とは『生命の危機に直面した時の救難信号』を受信するための感知器である。」

会期は10月27日(日)までです。ぜひ!
https://www.onomichi-museum.jp/exhibition/

あの騒動があって公立美術館での現代美術の企画展は開催が慎重になっていくでしょうが、是非とも尾道市立美術館にはがんばっていってほしいです。
全国の美術館で現場の運営に携わってる方々、困難をくぐり抜け踏ん張ってください!応援してます。


*ちょっとぉ、奥さん!
 10月22日(火曜日・祝日)は即位礼正殿の儀に対する慶祝事業の一環として、尾道市立美術館は展覧会の無料開放をするってよ♪