ほんとうにたいせつな情報とは?

  • Day:2013.11.30 13:00
  • Cat:言葉
最近読んだ本から、気になった部分を抜き書き。

『踊りでも、すばらしい踊りをだれかが見せて、そのとき、まわりの人がざわざわっとしたとか、すすり泣きが聞こえてきたとか、拍手がすごかったとか、こういうものは空間と時間を共有して、自分がその現場にいないとわからないことなのです。
文化の情報はかならず何かそうしたものをもっているのです。
そのようなことを、記憶はできるのですけど、なかなか記録はできません。
こういうものをもっと大事にしていってほしいのです。』

『できれば相互編集のためには、いろんな仕事の現場に入りましょう。ネットの端末であれこれいってるだけでは、ダメです。』

『わたしたちは、自分たちの得意な「多数派のコミュニケーション」のやりかたばかりをいばっているけれど、きっと世界の人びとはもっと多様な情報コミュニケーションをもっているはずだと感じたのです。』

ー未来のおとなへ語る「わたしが情報について語るなら」ー
著/松岡正剛 ポプラ社

ポプラ社から出ている、各分野の専門家が小中学生向けに書いたシリーズのひとつです。
編集工学を提唱する松岡正剛氏。
昔から気になってる人なんだけど、その著作は自分にはまだ敷居が高い。
そこで図書館の青少年コーナーにあったこの本を借りてみました。
「情報とはなにか」ということを、宇宙の誕生から生命の進化、人類の出現から現代までを追って説明してくれます。腑に落ちました。
上に書き記した言葉は最終章に出てきます。

「17歳のための世界と日本の見方」(春秋社・2006)も面白かったな。

セイゴオちゃんねる(松岡正剛の最新情報)

中年のチカラ

  • Day:2010.11.09 19:42
  • Cat:言葉
押しも押されもせぬ立派な中年の年齢にはなりました。
しかし、頭の中身は高校生の頃とたいして変わりないのが実感です。
自分の歳と肉体にあせりも感じます。

好きな作家の中島らも氏がこんなことを書いています。
読み返していいなあと思ったので、長いですが書き写してみます。
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わめきちらし暴れまくってる人間よりも、いつでも抜刀できる姿勢を保ちつつニコニコしてる人間のほうがはるかにこわい。力と智の均衡が結ぶ静かな微笑の奥に巨大な爆発力が封じ込められている、これこそ「理想の中年」像というものではないだろうか。力をみだりに使わないことがもたらす「やさしさ」というのは、若い人の優柔不断を誤解して言われるところの「やさしさ」とは対極に位置する、ほんものの「やさしさ」なのだろう。
 ではこの力は、もし万一使われるとしたら何に対して使われるべきなのか。おれはこう思う。中年の力というのは中年が自分の核の中に抱いている「こども」、これを守ることのためにのみ使われるべきなのではないか。現実の「こども」は「天使」などでは絶対にないが、ことばとしての「こども」の中には「天使の属性」のひとかけらがある。その輝いて美しいけれど何の防御力も智恵もない、自分の中の「こども」を守るのが、中年の力と智恵なのではないだろうか。

  中島らも ~田辺さんとため息~ 集英社文庫『砂をつかんで立ち上がれ』所収
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中島らもは今の僕より若い時期にこう書いている。
僕はこんな力もやさしさもまだ持ち得ていない。

草野心平の詩から

  • Day:2010.04.13 06:58
  • Cat:言葉
昨日書いたのは草野心平さんの詩「さくら散る」でした。
この詩は多田武彦さんによって男性合唱になっています。
高校のころ合唱部だった兄にカセットテープで聴かせてもらったことがあり、印象深く記憶に残っています。

「さくら散る」(草野心平)

はながちる               
はながちる               
ちるちるおちるまいおちるおちるまいおちる
光と影がいりまじり           
雪よりも                
死よりもしずかにまいおちる       
まいおちるおちるまいおちる       

光と夢といりまじり           
ガスライト色のちらちら影が       
生まれては消え             

はながちる               
はながちる               
東洋の時間のなかで           
夢をおこし               
夢をちらし               

はながちる               
はながちる               
はながちるちる             
ちるちるおちるまいおちるおちるまいおちる

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※合唱はここで聴けます
にこ☆さうんど#

生きる

  • Day:2009.11.23 09:29
  • Cat:言葉
「生きる」 谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬がほえるということ
いま地球がまわっているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

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有名な詩だと思います。
谷川さんの詩の中で、昔から大好きなひとつです。