『祝福』

  • Day:2012.10.02 14:51
  • Cat:読書

大切に読みたい本と出会いました。

『祝福』
写真:坂本真典
小説:玄侑宗久
デザイン:クラフトエヴィング商会
ちくま書房刊

上野不忍池の蓮にまつわるお話。
読んでいて小説であることを忘れてしまう。
それは主人公の一人語りの形式によるものか。
その場に居て見ているかのようにちりばめられた、たくさんの蓮の写真によるものか。
あらすじはシンプルで、淡い夢のよう。美しく官能的で切ない。
文章だけ読めばあっという間に読める量だけど、丁寧に何度でも読み返したくなる本。

図書館で出会い、もう返却してしまったんだけど、探して買おうかな。

今年はもう花を落としてるだろうけど、来年は盛りの時期に上野の蓮池を眺めに行こう。

夏の課題図書

  • Day:2010.08.20 18:58
  • Cat:読書
残暑お見舞い申し上げます

今年のお盆は帰省せず猛暑の東京にいました。
ギラギラ太陽に外出する気にもなれず、クーラーのあるひと部屋で犬と鳩と共にごろごろしてました。
ぽっかり空いた心を埋めるように本が読みたくなり、本屋に平積みされてる「新潮文庫の100冊」から北村薫の『ひとがた流し』を買いました。
これが今の自分にヒットでした。
一読して涙がこぼれ、すぐにもう一度読み返したくなりました。再読しても面白い。
これは何だろうね。ストーリーだけじゃないんだよねぇ。
あらすじは簡単に要約できるシンプルなもの。
その中にあるささやかなもの、切なさ、喜び、哀しみをすくいあげる作者の語り口に共鳴します。
大事に読みたい部分がたくさんあります。

続いてこの作品が新聞連載されてた前後に北村氏が早稲田大学で二年にわたり行った講義を元にした『北村薫の創作表現講義』(新潮選書)を図書館で借りてきて読んでいます。
こちらも「表現とは何か」ということを一緒になって考える興味深い本です。

その昔小中学生のころは夏休みに読書感想文の課題がありました。
これがまったく書けませんでした。
今ならどうかなぁ。

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北村薫『ひとがた流し』新潮社

ゲゲゲの~

  • Day:2010.08.10 09:37
  • Cat:読書
本屋に行くのが好きです。
本を探すのなら図書館もいいですが、本屋に立ち寄って新刊の本や雑誌を流してみるのは別の楽しみがあります。
気になる本を手に取って、装丁や装画を確認したり、立ち読みしてるとあっという間に時間が過ぎて行きます。
完全に本の世界に没入していて、15分くらいのつもりが2時間くらい経っていたりします。
先日も仕事のお昼休みに本屋で新刊本のコーナーをのぞいていました。
NHKの朝ドラで「ゲゲゲの女房」をやってるせいで水木しげる関連の本が並んでいます。
その中で眼に飛び込んで来た背表紙がこれ!

『ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』

これは!?手に取りましたよ。
水木しげる、赤塚不二夫、手塚治虫、いわずと知れた有名漫画家の3人の娘さんによる座談会ほかで構成されています。
それにしても「ゲゲゲ、レレレ、ららら」とはうまく並んだものだなあ。
編集された方のネーミングセンスに感心しました。

新刊かと思ったら今年2月の刊行でした。

ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』
水木 悦子・著 , 赤塚 りえ子・著 , 手塚 るみ子・著
文藝春秋

ワークショップ

  • Day:2010.03.17 08:54
  • Cat:読書
面白い本を読みました。

『ワークショップ』
ー新しい学びと創造の場ー
中野民夫 著  岩波新書


今でこそあちこちで眼にするワークショップという言葉。
まだまだ不確定なこの手法の定義・分類・意義・実際・応用から問題点まで、
著者自身の豊富な体験を通してわかりやすく書かれています。
単なる解説書、教養書でなく著者の悩みや熱い想いを感じます。
10年前に出版された本ですが、内容は少しもさびれることなくさらなる現在性を持っています。
”共同体と個””交響する場づくり”
取り上げられるのはこども会のイベントから地球環境問題まで。
「会議が不毛だ」「創造的な集団づくりとは?」そんな思いの貴方、

おすすめです!

この世界の片隅に(4)

  • Day:2009.11.07 12:21
  • Cat:読書
091107_1146~001
昨日からずっと『この世界の片隅に』のことを考えています。下巻を何度も読み返しています。

~戦中の広島、絵を描くことが好きな浦野すずは、軍都・呉へと嫁ぐ~(上巻帯より)

作者は推敲を重ね、綿密にこの物語を組み立て、完結させています。
それは容易なものではなかったと想像します。

読み違いも許されるなら、この作品は絵を描くことが好きだった主人公の、右手によって綴られた漫画、”しあはせの手紙”なのではないでしょうか。
そう考えると上巻冒頭に記された ”この世界のあちこちのわたしへ” という言葉も考えさせられます。
最終話で繰り返される ”どこにでも宿る愛” そして ”変わりゆくこの世界の あちこちに宿る切れ切れのわたしの愛” という言葉に対応します。

う~~ん、すごい.......。