心をみつめる 〜清水きよし「幻の蝶」を観て

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暖かな秋の日、清水きよし氏のパントマイム公演「幻の蝶」Vol.128 を観にいきました。
(2014.10/26(日)16:00〜梅若能楽学院能舞台)

タイトルだけは以前から知っていた舞台。
初演から35年、繰り返し演じ続けてこられたそうです。
能舞台でのソロマイムというのにも興味を引かれました。

バラエティに富んだ8作品によるオムニバス。
暗がりに浮かび上がる能舞台で演じられるそれは、幻想怪奇譚といった趣き。

異空間にさまよい込んだ感じ。
いったい今は何時なんだろう。
表はまだ明るいのか暗いのか。
清水きよし先生はその水先案内人。仙人か妖怪かも知れない。

能舞台の静謐な空間。
無音であることの緊張感と心地よさ。
時折奏でられる11弦ギターの調べが、ノスタルジーに誘う。

波立っていた心が凪になる。
いつまでもひたっていたい。

マイムを観るということは、己の心の中をのぞきこむ時間のような気がします。
眼前の動きを目で追いながら、身体の内で情景を想い描いている。

忙しいとは心を亡くすと書きますが、亡くしていたのは自分を見つめる時間だったように思います。
暇つぶしにネットをのぞき込み、自分から余計な情報に翻弄されて、訳も分からずイラついている。

大切なことに気づかせてくれる、貴重な時間をありがとうございました。
清水先生、これからもお体大切に。
「KAMEN」と共に、繰り返し演じ続けていってください。

追悼〜赤瀬川原平

前衛芸術家 赤瀬川原平、作家 尾辻克彦、本名 赤瀬川克彦。ゲンペーさんが亡くなった。
美大受験生だった頃、雑誌の連載でその名前を知ってから30年、ずっとその活動を楽しく見つめてきた。
「読売アンデパンダン展」「ハイレッドセンター」「千円札裁判」「トマソン」「裸眼立体視」「ライカ同盟」「老人力」「新解さん」...。
原平さんに芸術的視線を教わった(それは小難しくなく面白いもの)。
古本屋で過去の著作を見つけると買い求めた。
『いまやアクションあるのみ』『雪野』『贋金づかい』『芸術原論』『科学と抒情』『少年とオブジェ』...。
歯触りを感じるオブジェのようなその文章。
著作の中に原平さんに会いに行こう。合掌。

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赤瀬川原平「宇宙の缶詰(カニ缶タイプ)」