羊をめぐる冒険

羊男 イラスト:佐々木マキ

「ねぇ、あと十分ばかりで大事な電話がかかってくるわよ」
「電話?」僕はベッドのわきの黒い電話機に目をやった。
「そう、電話のベルが鳴るの」
「わかるの?」
「わかるの」
(〜中略〜)
「羊のことよ」と彼女は言った。「たくさんの羊と一頭の羊」
「羊?」
「うん」と言って彼女は半分ほど吸った煙草を僕に渡した。僕はそれを一口吸ってから灰皿につっこんで消した。「そして冒険が始まるの」
『羊をめぐる冒険』村上春樹


いまさらですが、、、

寒中お見舞い申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いします


2015年(平成27年)も、三週間が過ぎました。
昨年末をバタバタと過ごし、年明けには風邪で寝込んでしまい、ご挨拶が遅くなってしまいました。

今年は四回目の年男です。羊(未)です。
羊男といえば、村上春樹の小説を連想します。
特に『羊をめぐる冒険』。
ストーリーは忘れていても、序章から本編に向かう最後のくだりがカッコ良く、ゾクゾクしたのを憶えています。

さて、今年は5月に東京を離れ、広島は尾道に引っ越すことを決めました。
これも私のとっては一つの冒険。まさに”羊をめぐる冒険”です。
大学入学を機に広島の田舎から東京に出て来て、早29年。
このまま東京に住み続けるより、新しい場所での新しい生活を考える方がワクワクするのです。
”地方の時代”といわれ続け自分もそうだと考えながら、これまで何もしてこなかった。
オリンピックに向けて空騒ぎが始まるだろう東京に、いたくないというのもあります。

「五十而知天命」
天命を知る五十も間近ですが、新たな冒険を始めたいと思います。
尾道


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『羊をめぐる冒険』村上春樹