ささやかで愛しいもの

戦時下での日常というものをわたしは"こうの史代"さんの漫画で知らされました。人為的な災害時の日常といえるかも知れません。

例えば『この世界の片隅に』では、太平洋戦争末期の広島にほど近い街のある家族の日常が延々と描かれます。
戦況がきびしくなり物資が不足したりしていきますが、それでもささやかな幸せがあります。

『夕凪の街 桜の国』の夕凪編は終戦から10年後の広島市が舞台。
原爆スラムと呼ばれたバラックに住む主人公の女性がこう独白します。

「しあわせだと思うたび
美しいと思うたび

愛しかった都市のすべてを
人のすべてを思いだし

すべて失った日に
引きずり戻される

おまえの住む世界は
ここではないと
誰かの声がする」

悲しい台詞です。
過去に囚われどこかぼんやりと日常を送っていた彼女は、気になっていた同僚から好意を打ち明けられ、生き残った自分が幸せになることの後ろめたさに悩みます。
ですが、過去を受け止め未来に向けて歩きだそうと決意します。(この短いものがたりが、このまま幸せな結末を迎えられないのがとても悲しく、またこの漫画の肝なのですが)

現在の日本の状況のなか、こうのさんの漫画で繰り返し描かれる日常というものをよく考えます。
ぜひご一読を。
(ブックオフ等で漫画はホント安く手に入るのねぇ)

人の命は儚いもの。けれど人はたくましいものだと思います。

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